日常のデザイン

こんにちは。

こんにちは。しゅんです。
今回は日常に溶け込んでいる素晴らしいデザインを紹介します。
日常に溶け込んでいると素晴らしいのかどうかさえ分からなくなるので
溶け込めなかった場合にどうなるかを見ていただいた後、
紹介しようと思います。

不自然な椅子

道を歩いているとコンクリートブロックがあり、その上には「ベンチのつもりで置いています」と記載があります。


注意書きがないと、椅子として使われないことが理解できます。
なぜ使われないのか。それは座りたいと思えないからです。
なぜ座りたいと思えないのか。①そもそもここで休憩したいと思わないから。②椅子に見えないから。③家と椅子の位置が近いから。④綺麗ではないから。です。

デザインの力とは

デザインは人の行動や心を動かしたり、イメージを強く印象づけたりすることができます。

不自然な椅子ではその人の行動をうまく導くことができていませんでした。
環境や目的が異なるので一概に比較すること自体がおかしいかもしれませんが
日常に溶け込むとどうなるか。をご紹介します。

日常のデザイン

この自動改札機の写真を見て、どこにデザインの凄さが発揮されているかわかる方は、
年配の方か普段から熱心に問題発掘力を鍛えている方かなと思います。

もちろん矢印での進行方向の案内、識別性の高い形、色、配置といったことも計算され、デザインとしての機能を果たしていて素晴らしいと思います。
しかし、私が今回紹介したいのはアンテナ面(ICカードをかざす場所)の傾きについてです。

アンテナ面の傾斜は13.5度

今では当たり前になりつつあるICカードですが、もちろん1990年以前は紙や磁気の切符を使用していました。切符の素材や形、機能が変わるということは、それを受ける側である改札も変わるということです。そして、それらを使う人の行動も変える必要があります。

紙の切符の場合は切符を入れる口に通し、改札の先から出てきた切符を取る。という行為が必要でしたが、ICカードの場合は挿入するのではなくかざす必要があります。これまでの当たり前からシフトするのはとても難しく、開発当初は10人に2人ほどしか今のように改札を通ることができなかったようです。

しかし、インダストリアルデザイナーであり、東京大学生産技術研究所教授の山中俊治さんは、
デザインの力でエラー率を1%未満にしました。
その方法は「手前に13.5度傾いている、光るアンテナ面」を作ることでした。
今ではアンテナ面が少し傾いていて、光っていることは当たり前ですが、
この方法を見つけるには何度もトライ&エラーを繰り返し、
誰もが同じような行動を “したくなる” よう誘導できるように昇華させたのです。

最後に

日常にある当たり前はかつては当たり前ではなかったことで
多くの先人たちの知恵と挑戦で生まれてきたものです。

また、不自然な椅子と紹介しましたが、私が知らないだけで利用している人がいるかもしれない。
役に立っているかもしれない。需要があるかもしれない。非難や批判があるリスクを覚悟して、このような取組みをすることは本当に素晴らしいことだと思います。

山中俊治の「デザインの骨格」

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